コラム

COLUMN

二件で一棟になっている、いわゆる“連棟住宅”について、それぞれの所有者が異なり、
維持管理(メンテナンス)状況にも大きな差がある場合、対応方法が難しくなります。

例えば、維持管理が良い住宅側(物件Ⓐ)は賃貸住宅として貸しているが
もう一方の住宅は長年空き家として放置しており劣化や損傷が進行し、
台風が来れば屋根瓦や外壁が飛んでしまいそうな状態(物件Ⓑ)・・、

このような状況の場合、物件Ⓐの所有者と物件Ⓑの所有者による話し合いによって
問題解決が必要となるケースが多くあります。

基本的に、解決方法としては、物件Ⓑの所有者が自己の負担と責任において修繕を行うことです。
ただ、現実的には、何年も放置している住宅について、今後の利用目的も無さそうな状況にもかかわらず
、費用を掛けて修繕する気持ちになるでしょうか。

“できれば、隣の所有者の方に買い取って欲しい”というような考えになるかもしれません。
ただ、隣の所有者(物件Ⓐ所有者)側も、いくら隣の住宅だからといって、
損傷が激しい住宅を買い取る甲斐性があるでしょうか。
(但し、物件Ⓐの所有者側にメリットがあれば、買い取ってもらえる可能性があります。)

また、物件Ⓐには賃借人もいることから、物件Ⓑの劣化損傷によって
賃借人に害を与えてしまう可能性があり、いずれにせよこのまま放っておく訳にはいきません。

そこで、一般的に考えられる解決方法は、以下の通りです。

①)物件Ⓑの所有者が、自己の責任及び負担にて、修繕行う。
②)物件Ⓑの所有者が、物件Ⓐの所有者の了承のもと、物件Ⓑを切り離し解体する。
※但し、構造や現地の状況によっては切り離し解体が不可の場合有り。
③)物件Ⓐの所有者に物件Ⓑを買い取ってもらう。
④)物件Ⓐの所有者と物件Ⓑの所有者と共同で、両方とも売却処分行う。

①)以外は、双方話し合い・協議のもと、決定する必要があります。
ただ、双方の思いや互いの利益を考えた場合、話し合いが成立するかは不透明です。

実情は、なんとなく「隣と話がしづらい」という理由で、隣の所有者とは何も話し合いもせず、
現状、何年も放置されたまま時間だけが過ぎている・・・、
という現実が、日本中の様々な地域にあります。

損傷が激しい状況のまま放置し続けた結果、台風等の影響で屋根や外壁が飛散して、
隣家人等に損害を与えてしまい、近隣に対して憎悪的な印象を持たれたり、
場合によっては法律上の責任を負うことにも繋がりかねません。

ご自身と近隣の両方の為に、何らの維持管理対策が必要です。

2019年10月17日
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