コラム

COLUMN

築25年経過した空き家が、何故、建物評価“0円”なのか。

ご所有不動産のご売却を検討されている方、特に、対象物件が木造の空き家の場合、
査定を受ける前に知っておいて頂きたいポイントをご案内いたします。

先ず、空き家査定の場合は、「土地」評価と「建物」評価に分かれます。
土地については、対象物件周辺にて近年取引された事例を基に、
前面道路・間口や土地形状などの個別要因を勘案して対象土地の単価を算出します。
そして、その単価を土地面積で掛けた金額が土地評価となります。

次に、建物についてですが、木造住宅の場合、一般的には築後25~30年が経過すれば、
建物評価が“0円”になってしまうケースが多くあります。
有名なハウスメーカー等が建てた住宅などであれば、200~300万円程度の評価が
残存する場合もありますが、多くの木造住宅は殆ど建物評価がありません。

そもそも、築25年程度が経過した空き家の建物評価が低い理由は、
買い手側の心理があります。
それは、中古住宅(空き家)は「分からない」「汚い」「不安」という購入心理から、
不動産事業者が「古い建物は取り壊し、新たに新築住宅を建てなければ売れない。」
という感覚や流れにより、中古住宅の建物評価が無くなってしまうのです。

そこで、木造一戸建て住宅の評価方法について、新築当時の各種書類の保存状況や
使用建材種類・住宅修繕履歴・ホームインスペクション(建物診断)の有無等、
様々な情報確認のもと、建物査定を行い、適正な評価を算出する動きが出始めています。
ただ、実際には、そのような査定を行うには知識や手間暇がかかることから、
まだまだ「建物評価0円」というような建物評価しか行わない(行えない)
不動産事業者が多いのが実情です。

近年、国土交通省の住宅政策として、「既存住宅・リフォーム事業の活性化」
という取り組みがあります。
既存住宅とは、いわゆる「中古住宅」のことです。
国も、少子高齢化社会の中、新築住宅を次々と建築することよりも、
良好な既存住宅の流通を促す住宅政策へと転換行うために、中古住宅の建物評価を適正に行い、
購入者に対して安心して取得・お住まい頂けるような制度や仕組みづくりを始めています。

そして、私たち空き家住宅等を取扱う側も、率先してその仕組みづくりに協力することが、
お客様(売主様・買主様、共に)と良好な関係が築けるものと考えています。

2020年1月23日
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