身近に感じる土地問題
国土交通省が公表した「平成27年度土地問題に関する国民の意識調査」結果によると、
日頃、土地に関して身近に感じる問題について聞いたところ、「空き家・空き地や閉鎖
された店舗などが目立つこと」をあげた者の割合が40.8%で最も高く、以下、
・「老朽化した建物の密集等、災害時の不安が大きいこと」(30.4%)
・「手入れされていない農地や山林が増えていること」(25.0%)
・「身近な自然が失われてきていること」(18.9%)
・「住宅価格が高いこと」(13.9%)
などの順となっている。なお、「特に身近に感じる問題はない」と答えた者の割合は
16.5%となっている。
前年度調査結果と比較してみると、具体的な項目では「老朽化した建物の密集等、
災害時の不安が大きいこと」をあげた者の割合が前年度から大幅に増加していて変化が
最も大きい。また、「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」をあげた者
の割合についても比較的大幅に増加している。
なお、「特に身近に感じる問題はない」と答えた者の割合は前年度から減少している。
また、都市規模別にみると、
「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」、「手入れされていない農地や
山林が増えていること」をあげた者の割合はその他の市町村(地方圏)で高くなっている。
また、「老朽化した建物の密集等、災害時の不安が大きいこと」をあげた者の割合は
東京圏で、「身近な自然が失われてきていること」をあげた者の割合は東京圏と大阪圏で、
「住宅価格が高いこと」をあげた者の割合は東京圏と名古屋圏で、それぞれ高くなっている。
性別にみると、
「依然として地価が下がっていること」をあげた者の割合は男性で高くなっている。
年齢別にみると、
「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」をあげた者の割合は50歳代で、
「老朽化した建物の密集等、災害時の不安が大きいこと」、「住宅価格が高いこと」を
あげた者の割合は40歳代で、「手入れされていない農地や山林が増えていること」、
「依然として地価が下がっていること」をあげた者の割合は60歳代で、
それぞれ高くなっている。
住居形態別にみると、
「住宅価格が高いこと」をあげた者の割合は賃貸住宅で、「依然として地価が下がって
いること」をあげた者の割合は持ち家で、それぞれ高くなっている。
土地所有形態別にみると、
「空き家・空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと」、「住宅価格が高いこと」を
あげた者の割合は非所有で、「手入れされていない農地や山林が増えていること」、
「依然として地価が下がっていること」をあげた者の割合は所有で、
それぞれ高くなっている。
この意識調査の結果を見ると、国民の土地問題に関する関心度や不安感が増大している
のが伺える。