コラム

COLUMN

近年は、「引越し後に住まなくなった空き家」や「相続後、利用していない空き家」などを賃貸として有効活用する方が増えています。

マンションや一戸建てなどの賃貸住宅の場、一般的には2年更新の「普通借家契約」として賃貸活用するケースが多いのですが、その「普通借家契約」では、2年の期間満了の際でも、現実的には賃貸人側からの解約申し入れが出来ず、賃借人側の退去・解約申し入れを待つしか解約が出来ないのが実情です。

理由は、住宅(住居)は、人生の中で最も大切な生活の要につき、借地借家法上では賃借権という賃借人の正当な権利として手厚く保護されているからです。

それでも一般的な賃貸住宅の多くが普通借家契約で賃貸借契約を締結している理由は、賃貸事業という長期的な視点で収益を上げることを目的としているため、賃貸人や所有者が長期契約を望んでいるからです。

空き家を「定期借家契約」で有効活用

そこで私たちは、そのような賃貸人側の賃貸リスクを軽減するために、住まなくなった家を「定期借家契約」での賃貸活用を推奨し、実際の活用についてお手伝いさせていただいております。

そもそも「定期借家契約」とは、“期間限定で空き家を貸す”という制度です。

「期間限定」といっても数か月という期間ではなく、現実的には数年単位で賃貸行います。

期間限定ということは、その契約期間が終了すれば空き家は戻ってくるため、その後の売却や自己利用など、空き家に対する将来の利活用計画が立て易くなります。

参考)「普通借家契約」は、賃貸人や所有者にとって「理不尽」な契約形態!?

上記、ご説明の通り、賃貸人にとって「普通借家契約」はその家(空き家)の将来設計を立てることが困難な契約形態につき、今後の資産形成を考える上では不透明要素が高く、賃貸リスクとなる可能性があるのです。

(例①:将来、売却したいけれど、賃借人がいるため売却が困難、又は、低価でしか売却出来ない。)

(例②:将来、親族が住む予定にしているが、賃借人がいつ退去してくれるか分からない。)

特に、「空き家を限定的に活用したい(数年間だけ活用したい)」という方や、「空き家のままではリスクがあるから、将来使う時まで活用したい」など、賃貸業を本業や副業といったビジネス的に捉えていない方に対しては、普通借家契約での賃貸活用はリスクが高くなる可能性があるのです。

そのような賃貸リスクを懸念する空き家所有者が多いことも、昨今の空き家問題に繋がっている要因の一つかと考えられます。

私たちが実際にお手伝いさせて頂いた定期借家契約の事例

事例①)転勤のため、5年間の定期借家契約で有効活用。

新築住宅購入の2年後、九州に転勤となったA様毎月の住宅ローン返済や、子供の生活環境のことを考えて、当初は単身赴任で行くことも検討していたのですが、結果、ご家族で引越すことを決断。

会社の事情から考えれば、数年後に社内辞令でまた関西へ戻る可能性が高いことから、売却せずに「定期借家契約」での賃貸活用を検討。

この制度であれば、将来、ご自身が転勤から戻って来たときに、再度、居住することが可能につき、結果、5年間の定期借家契約を利用した賃貸にて有効活用行う。

ポイント)

このケースでは、再度、転勤からご自宅に戻ってくる可能性が高いため、売却は選択したくないことと、購入後2年しか経過していないため、住宅ローン返済のことも考えた結果、定期借家契約を選択されました。

事例②)相続した実家を10年間の定期借家契約で活用。

築40年の木造一戸建を、昨年に相続。

将来に亘り、自身や親族が相続したこの実家には住むつもりはないため、売却処分や有効活用などいろいろ検討した。

売却しても建物の価値はあまりないけれど、室内リフォーム工事を行えば建物の利用価値が十分あるとのことで、利用可能な限りは賃貸活用行い、その後に売却することが効果的な活用という結論に至った。

そこで建物自体はあと10年程度は十分利用可能と判断し、10年間の定期借家契約で賃料収益を上げた後、売却処分することにした。

ポイント)

建物の保守状況から見た利用価値やリフォーム工事という投資リターンを勘案し、賃貸期間を10年と設定。また、賃貸期間満了後は売却処分という計画もあることから、当初から、定期借家契約での賃貸活用を検討。

空き家を「定期借家契約」で活用するメリット

このように、賃貸人側の事情や目的に応じた活用方法が可能となることで、利用していない空き家に対する将来的な利活用計画が立て易くなることが、この「定期借家契約」の最大の特徴であり、メリットです。

また、最大のポイントとなる契約期間についても、2~3年の短期から10年超の長期間まで、賃貸人様の要望に合わせて、原則、任意に設定が可能です。

(※1年程度や1年未満の契約期間の設定も可能ですが、「住居」という観点から、短期間の利用ニーズは限定的です。)

「定期借家契約」の賃料条件設定の特徴

この「定期借家契約」は、契約期間が短くなれば賃料設定が低くなる傾向があります。

目安としては、一般的な「普通借家契約」で締結する賃料を基準とした場合、

・5年定期借家契約での賃料設定は、「普通借家契約」の賃料×90%程度

・3年定期借家契約での賃料設定は、「普通借家契約」の賃料×80%程度

というような条件設定が目安となります。

理由は、賃借人側から見れば、期間満了に伴い、原則、他の住宅に引越さなければならないため、その転居費用を予め想定しておかなければならないことが最大の理由です。

また、逆に、期間満了により引越すことを条件のもと、普通借家契約より安価で貸借出来るということで利用ニーズが生まれます。

ただ、例えば10年超の長期にわたる契約期間の場合など、設定した定期借家契約期間満了までに賃借人側が引越す可能性が高くなるような契約期間であれば、

一般的な「普通借家契約」と同程度の賃料設定が可能です。

「定期借家契約」制度、ここは注意しておきましょう。

空き家活用などを行う場合、将来的な利活用計画が立て易い「定期借家契約」ですが、賃貸人にとって希望条件が全て適う訳ではありません。

この制度は、当初に定めた契約期間満了まで必ず契約が継続されるとは限らず、賃借人からの中途解約の申し出によって期間途中で契約が終了する可能性があります。

また、中途解約に伴うペナルティも原則、ありません。

例えば、賃貸する空き家を5年後に自分達が利用することを想定して、5年間の定期借家契約を締結した場合、その後、賃借人側の事情により3年で解約されてしまえば、残りの2年間は空き家となります。

そのような場合は、新たに2年の定期借家契約として入居者を募るなどで賄うこととなります。

このように、あくまでも、定期借家契約期間は「最長契約期間」という位置付けとして、予めご認識いただく必要があります。

平成12年3月にこの「定期借家契約」制度が創設されました。

最後に・・

創設された当初は、利用者はとても少なく、その後も不動産賃貸市場に定着しない「賃貸借制度」として扱われていました。

しかし、平成28年に施行された「空き家等対策特別措置法」により、空き家の有効活用を促す世間の流れと共に、定期借家契約を利用する空き家所有者も増え始め、

今では多くの方が利用される制度となっています。

この制度をそれぞれのご事情に合わせた上手く活用することで、お手軽に空き家の有効活用が可能となり、空き家対策・収益獲得という一隻二兆の意味を持つ資産維持に繋がります。

今後、益々社会問題となることが予想される空き家問題、今の時代、所有しているだけでは価値は生まれません。利用してこそ価値が生まれます。

誰でも手軽に使える「定期借家契約」を活用して、眠らせている空き家の“利用価値”を引き出しましょう。

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2022年10月7日
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