コラム

COLUMN

政府は、「戦後最大の名目GDP600兆円」の実現を目指し、「日本再興戦略2016」
を閣議決定しました。空家対策や既存住宅・不動産関連では主に下記の項目が明記されています。

◆空家や既存住宅の流通・リフォーム市場を中心とした住宅市場の活性化

◇新たに講ずべき具体的施策

人口減少と少子高齢化が進む中、経済成長を実現していくためには、
新築住宅のみならず新たな住宅市場を開拓・育成する必要がある。
しかし、我が国では、住宅購入をゴールとする考えや、購入した住宅が
必ずしも適切に維持・管理がされていないこと等により、既存住宅流通・
リフォーム市場の活性化が図られていない。
そこで、リフォーム等による良質な住宅ストックが数十年を経ても資産として評価され、
次世代へ流通していく「新たな住宅循環システム」への転換を図り、既存住宅流通・
リフォーム市場を形成・活性化していく 。また、空き家の増加を抑制するため、
「 新たな住宅循環システム 」 の構築と併せ、建替え等による新陳代謝を促していく。
また、IoT 技術等を活用した次世代住宅の普及を促進することで、新たな関連産業の成長を図る 。
さらに、若年・子育て世帯の住居費負担を軽減し、安心して子育て等に取り組める環境を
整備するために、空き家を含めた既存住宅の活用を推進していく。

A)住宅が資産として評価される既存住宅流通市場の形成

 a. 品質と魅力を備えた既存住宅流通市場の形成

「 新たな住宅循環システム 」を構築し、既存住宅流通市場を形成するためには、
品質と魅力を備えた既存住宅の流通量の拡大と、そうした住宅ストックを適正に
評価する仕組みづくりを併せて進める必要がある。
具体的には、省エネ化や長期優良住宅化リフォームへの支援等を行い、既存住宅の
質の向上を進めるとともに、建物状況調査( インスペクション)や
瑕疵保険等を活用した質の確保を促進する。

また、既存住宅の資産価値を評価する流通・金融等の仕組みづくりへの支援を行うとともに、
品質と商品としての魅力を兼ね備えた「 プレミアム既存住宅 ( 仮称) 」 の登録制度を
本年度中に創設する。
こうした施策を総合的に講じることで、住宅が資産として評価される既存住宅流通市場の形成を図り、
住宅の資産価値の目減りによる老後への不安の緩和、消費拡大に貢献していく。

 b.不良資産の解消と 新規投資の促進

空き家を含む旧耐震住宅の除去・建替え等を促進する 。
また、空き家の多いマンションの建替え等の促進に向けた合意形成ルールの合理化等について 、
制度化に向けて検討を進める。さらに、空き家等の所有者の把握を容易にし、
その除却や建替え等を進めるため、相続登記の促進 に向けた制度の検討を行う。
これらの取組により、不良資産の解消と新規投資の促進に取り組む。

B)次世代住宅の普及促進

多様な居住ニーズに対応するとともに、IoT技術等の新技術に関連する住生活産業の成長を図るため、
IoT住宅、健康住宅、セキュリティ住宅等の先進的な次世代住宅について、本年度中を目途に、
関係省庁や住 宅関連メーカ一等と連携し、先進事例の収集等を通じた次世代住宅の備えるべき機能や
その将来像の検討、海外市場も視野に入れた普及に向け、関連機器等の規格の導入促進の在り方等も含め、
様々な課題抽出等を行う。

C)既存住宅を活用した若年・子育て世帯の住居費等の負担の軽減

 a.既存住宅を活用した若年・子育て世帯の住居費負担の軽減

既存住宅を活用し、若年・子育て世帯の住居費負担の軽減を図るため、
若年・子育て世帯が、必要な質や広さを備えた住宅に低廉な家賃で入居が容易になるよう、
空き家等の既存の民間賃貸住宅を活用した新たな仕 組みを構築する。
そのため、社会資本整備審議会住宅宅地分科会に設置した小委員会において検討を行い、
本年度中に制度化の方向性について結論を得る。また、品質と魅力を備えた既存住宅を無理なく取得できる
既存住宅市場を早急に実現する 。

 b.地域ぐ るみで子供を育む環境の整備

まちづくりと連携しつつ、地域ぐるみで子どもを育む環境を整えるため、
公的賃貸住宅団地の建替え等を契機とした子育て支援施設等の誘致 、
民間の住宅団地等における子育て支援施設等の整備促進等への支援を行う 。

2016年6月11日
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